店主はBEASTARSを語りたい

最近日中と朝晩の気温差が激しいですね。
春物に替えても夜は冬アウターが必要だったりで、
装いが難しい時期です。

先週ようやくBEASTARS 12巻読み終えました。

BEASTARSをまだご存じでない方に軽く説明を。

書影を見てもらえばわかると思いますが、
動物が人間のように振る舞い、生活する世界のお話。

全寮制のチェリートン学園でアルパカのテムが何者かに食殺されます。
肉食獣草食獣が共存する世界において食殺は最大のタブー
ハイイロオオカミの主人公:レゴシ(12巻表紙は肉食獣でありながら温厚で小心者。
演劇部に所属しながら草食獣たちと平和に学園生活を送っていましたが、
この食殺事件をきっかけに学園内や部内は少しずつ変化していくことに。

こちらで第1話試し読みできます。

https://www.akitashoten.co.jp/works/beastars/

 

「大賞作品にハズれなし」と名高い『マンガ大賞2018』では見事大賞を受賞。
かなり注目されている作品ですが店主の周辺ではまだ読んでる人が少ないのが現状。
なので勝手に語りたいと思います。

 

この作品のストーリーは人間に当てはめても十分面白いのですが、
人間だと個人に焦点を当てた、ただのサスペンスorミステリーで終始すると思います。
この作品は『動物』だから面白いんです。

肉食獣と草食獣は食物連鎖の上と下。
”食うか食われるか”の対立関係ですが、
国際機関を設立して共存する社会にしたのがBEASTARSの世界。
BEASTARSという動物界の頂点に選ばれた者で安寧秩序が保たれています。
しかし、皆が行儀よくルールを守っているわけではありません。
街の片隅には闇市が存在し、獣身売買や禁止されている食肉が行われています。

肉食獣にとっては本来の食べる対象と一緒に暮らしてるわけなんで、
食欲を別のもので満たしたり薬を飲んだりしてそれぞれ気を落ち着かせています。
ちょっとでも間違いが起これば肉食草食の関係はたちどころに崩れ、
共存できなくなる危うい世界です。

人間で言うところの人種差別にも置き換えれますが、
肉食と草食という単純で分かりやすく
生々しいスリルがこの作品を本質的に面白くしていると思います。

前の11巻にてこの食殺騒動は落着します。
普通ならここで日常の小話でも入れ間をとってから閑話休題に移るものですが、
さらっと次の展開へレゴシを導くのが板垣巴留のすごいところ。
それが強引じゃなくて必然であるように描くんですよね。
登場人物たちを苛烈で数奇な運命に導いてゆきます。

 

あと、動物たちの恋愛模様も面白さの1つ。
肉食同士、草食同士でのカップルがほとんどですが、
中には禁断の異種間恋愛に落ちる動物も。
主人公レゴシは多感な高校生ですが異性には奥手なタイプ。
そんなレゴシもある日草食動物に恋をします。
しかし自分の気持ちは果たして恋なのか?
ただの食肉衝動なのか?戸惑い悩むのです。

食殺事件と並行してレゴシたちの恋模様も目まぐるしく変化します。
12巻は生活環境が変化し、新たな伏線も張られ、見ているこっちがやきもきする展開。
13巻は4月発売ということで今から待ち遠しいです。

興味を持たれた方は是非お読みください。
そして感想を語ってくださいね。